首里杜地区まちづくり団体連絡協議会との連動で、地元首里からの声を行政に届けたい。
新型コロナウイルス感染症に揺れた2020年。感染拡大防止のため、イベントのみならず、大人数での会議なども自粛せざるを得ません。首里城周辺地域住民の声をまとめようと令和2(2020)年4月に開催予定だった「首里城周辺まちづくり団体連絡協議会」の発足会議は6月に延期となりました。初回は各団体2名(代表者と事務局)に人数を絞って開催しましたが、7月以降は各団体から1名が出る実務者会議を基本形式として、直接顔を合わせる人数をさらに絞り、Zoomなどオンライン会議システムも併用しながら臨機応変に対応してきました。また、名称は「首里杜地区まちづくり団体連絡協議会」とし、略称を「首里杜会議」とすることにしました。
首里杜会議では、県の首里城復興基本計画策定スケジュールに合わせる形で、地域住民の意見を集約することを目標に具体的な動きを議論。県がすでに発表している首里城復興基本方針の項目立てに合わせ、地域住民の生活と深く関わる部分について調査や議論を行うこととしました。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、項目別のワーキンググループを設置し、具体的な議論はグループ別に少人数で行いつつ、途中経過を首里杜会議で共有しました。また、首里杜会議の活動は、NPO法人首里まちづくり研究会が自主事業で開催する一連の「観光と首里まちづくりシンポジウム&ワークショップ」と並行して行い、これと連動して意見の集約を行うこととしました。(これまでの活動については、チャートをご覧ください)
こうした動きの中、2020年度に県が開く「新・首里杜構想検討部会」に、首里杜会議を代表する形ですいまち研のいのうえ副理事長が委員として参加することになりました。 2020年10月17日には、すいまち研主催の「観光と首里まちづくりシンポジウム」にて、住民からの提言概要(案)という形で、それまでに集約した意見を発表。同月28日に開催された「新・首里杜構想検討」部会の第2回会議で、シンポジウムの内容を受けて加筆した提言概要(案)を、地域からの経過報告として発表しました。
首里城および首里地域のまちづくりに関して、熱い想いを持つ方が首里地区には大勢いらっしゃいます。首里杜会議では、2020年11・12月でさらに地域住民(特に諸先輩方)の声を聞きながら集約し、令和2(2020)年内に地域住民からの提言という形で沖縄県や那覇市に提出したいと考えております。首里地域にお住まいで、ご意見のある方はどうぞ身近な首里杜会議の構成団体(古都首里のまちづくり期成会、首里振興会、御茶屋御殿復元期成会、城西小学校区まちづくり協議会、首里三ケ城南校区まちづくり協議会、NPO法人首里まちづくり研究会)にご意見をお寄せください。
今後も、首里杜会議では首里城復興基本計画をふまえた、首里らしいまちづくりについて息の長い活動を続けたいと考えています。50年後、首里をどんなまちにしたいかをご一緒に考えてみませんか。どうぞ、6つの構成団体のいずれかにご参加ください。
首里杜地区とは
昭和59(1984)年6月に沖縄県が策定した「首里城公園基本計画」で提唱された「首里杜構想」では、首里城を中核とする一帯が「首里杜地区」と定義されました。首里杜地区まちづくり団体連絡協議会発足時、首里地区全体での議論を進めるべきではないかという意見もありましたが、特に国営区域の整備計画が着々と進む中、県の基本計画策定までの間に住民から何らかの声をあげるには、まずは首里城公園周辺の道路渋滞による影響を直接受けるエリア内での議論を進めることが肝要との結論に達しました。
オリジナル版の首里杜構想では、弁ぬ御嶽を頂点に、真嘉比川と金城川の二つの水系に囲まれたエリアおよび流域と分水嶺一帯を、古都首里の歴史的発展を特徴づけた風土環境であるととらえています。中でも、県道82号線(環2)と県道28号線(桃原線)、崎山松川線(金城ダムの通り)に囲まれた一帯を「首里杜地区」とし、その周辺を「首里歴史的風土保全地区」と位置付けました。