2022年9月21日、首里杜まちづくり推進協議会が発足しました。
首里城復興基本計画、首里杜地区整備基本計画と、沖縄県では首里城周辺地域のまちづくりを含む、複合的な首里城復興をめざす計画を策定してきました。そこには、首里杜会議(首里杜地区まちづくり団体連絡協議会)がまとめた提言もしっかりと反映され、県と地域が一緒に首里城・首里城周辺を盛り上げようという機運が生まれています。
とはいえ、県だけががんばっても、地域だけががんばっても、これらの計画や新・首里杜構想は実現できないと思われます。約30年前、いわゆる平成の首里城が復元された時も、県は「首里杜構想」を打ち出しましたが、そこで謳われたことが実現したとは言えない状況が続いていました。
すいまち研では、首里城焼失前からオーバーツーリズムと駐車場不足による道路渋滞の問題を行政サイドに提起してきました。現在はコロナ禍で首里を訪れる旅行者は減っており、渋滞も起きていませんが、今後、特にインバウンドが回復すると、また同じ問題が起きかねません。
首里杜地区まちづくり推進協議会は首里杜地区整備基本計画に盛り込まれた協議体で、沖縄総合事務局(国)、沖縄県、那覇市、地域が同じテーブルに就き、首里杜地区のまちづくりの将来像を共有し、まちづくりに関わる各事業の進捗を評価・確認し、場合によってはそれをアップデートすることも含めて議論する場です。地域と行政が一緒にまちづくりに取り組むため、首里杜会議の事務局担当として、すいまち研も尽力したいと考えています。
県は来年度、「首里杜地区交通・観光マネジメント計画」を策定する方針です。これまでは観光というと、どれだけ多くの観光客をとりこめるかという視点で語られがちでした。しかし沖縄の観光自体の課題(宿泊数が少ない、客単価が低い、地元にお金が落ちない)もあり、質の転換が求められています。また、従来にはなかったレスポンシブルツーリズム、関係人口といったキーワードも生まれ、地域にとって持続可能なツーリズムを考える動きは全国各地に広がっています。「首里杜地区交通・観光マネジメント計画」にも、地域の声をしっかりと反映できるよう、首里杜会議参加団体(古都首里のまちづくり期成会、首里振興会、城西小学校区まちづくり協議会、首里三ヶ城南校区まちづくり協議会)や首里の皆さんと共に取り組んでいきます。どうぞよろしくお願いいたします。