すいまち研からのお知らせ

首里城再建に伴う首里地域の対応について(意見交換)

首里城再建に伴う首里地域の対応について(意見交換)

先日開催された首里周辺まちづくり連絡調整会議での意見交換の内容をとりまとめ、以下に公開します。


首里城再建に伴う首里地域の対応について

  • 古都首里、特に首里城には沖縄観光の目玉として県外や国外から多くの観光客の方々が訪れている。
  • しかしながらその観光客の多くは観光バスやレンタカーを利用することから、首里城周辺地域においては、朝夕の大変な混雑と騒音に見舞われ沿道環境は悪化し、住民生活に大きな支障をもたらしている。
  • 首里城公園施設内に観光バス等の駐車場があることにより、施設外へと溢れ並ぶ観光バス等が首里城公園周辺道路(県道 49号線池端交差点から首里城前交差点、県道 29号線池端交差点から首里公民館)の渋滞を引き起こしている。 
  • この状況が日常的なものとなり常態化され、首里城周辺の住民にとって我慢の限界に達している状況であり、当該地域への観光バスの流入を望むものはいない。
  • 10月 31日に起きた首里城正殿等の火災が、もし日中に発生していたら、消防車や救急車等の緊急車両が、観光バス等の渋滞に巻き込まれ、更に延焼や被害者等が出る大惨事になっていたかもしれない。
  • 今般、沖縄県において、首里城火災対策等本部、首里城復旧ワーキンググループ、首里城復興戦略チーム、首里城復旧復興県民会議(仮称)などが発足されているとのこと。
  • 首里城の復旧復興に向けて、観光地首里城公園が地域住民と共存共栄できる施設として、首里城のみならず周辺地域への影響を踏まえた観光客受け入れのあり方について再構築する必要がある。
  • 将来、首里城が復旧復興され、現在と同じような観光バス等に起因する交通渋滞からくる地域住民への過重な負担、支障が繰り替えされることがないよう取り組んでいただきたい。
  • その際は、自治会等地域住民の意見を踏まえ、地域と連携し、また自治体等関係団体も巻き込んだ中で検討を進めることを強く要望する。
  • 現在、首里城復旧復興への寄付金や募金が県内外・国外から集まっている。首里城復旧復興と併せて、首里城公園周辺地域を含めた観光客受け入れのあり方を踏まえた予算の使い方を議論する等、地域住民との良好な関係が築けるよう取り組んでいただきたい。

首里城の再建にあたっては、首里城及び首里城周辺の整備について以下の項目を検討いただきたい。

1.首里城が再建ができるまでの間、首里を周遊で、楽しめるように、龍潭周辺の整備や中城御殿・御茶屋御殿の復元などに取り組んで欲しい。

2.首里城焼失まで大きな課題であった、龍潭通りを含めた首里城周辺の観光バスやレンタカー等により、緊急車両の通行を妨げていた交通渋滞に対する抜本的な対策を考える。その際、首里杜館の駐車場を廃止し、耐火性能のあるその場所へ首里城内の収蔵庫を移動させ、文化財の保護に寄与する用途へ変更する。観光バスやレンタカー等は沖縄自動車道那覇インター脇にある駐車場及び農業試験場跡地を整備し、駐車場として活用する。整備した駐車場からはシャトルバス等を運行させることや、公共交通利用促進の強化等、抜本的な交通体系の見直しを検討して欲しい。

3.新聞報道等で紹介されている、首里城焼失前の首里城及び首里城周辺の映像を最新映像技術(VR,AR等)を用いて国内・海外に情報を発信し、継続的に関心を持って頂き、再建後に訪れてみたいと思わせるシステムを構築して欲しい。 

2019/11/29
古都首里のまちづくり期成会
会長 玉那覇 有紀
特定非営利活動法人首里まちづくり研究会
理事長 伊良波 朝義